書評「中国4.0」エドワード・ルトワック著
以前も触れた龍谷大の竹中先生が書評を書かれていたので、興味を持って、この本を読んでみました。
中国4.0 暴発する中華帝国【電子書籍】[ エドワード・ルトワック ]
最近の中国の動きをみて、どうして、こんなことをするのだろう。
傍若無人な振る舞いをする大国が隣にいるという日本の地理的な位置は、不幸だ、と短絡的に考えていましたが、この本を読み、少し考え方が変りました。
オススメの方:
九段線(赤で示された領域。コレです↓)の内側を中国の領海っていうけど、どう考えても無茶だよね。何を考えてるんだろう、とか、
この巨大な中国に日本は将来占領されるのか、などという漠然とした不安や、疑問を感じている方。
「なぜ、こんな強権的な進め方をするのか、しかも、各国の反発を招いていることは第三者でさえ、わかるのに。こんな強引なやり方は短期的にはともかく、長期での成功はありえないのでは?」という疑問を感じた方にオススメです。
(上の図は、YAHOO ニュースより引用しました。)
内容:現在の習近平がTOPを務める中国の考え方や性質(この本でいえば、パラメータや変数)、これを踏まえて、日本はどう考えるべきかということを、日露戦争や、太平洋戦争など、日本人にとって、身近な例を題材にして、分かりやすく説明してくれます。
それもそのはず、翻訳を担当された奥山さんのブログによると、ルトワックさんは、「「日本の温泉評論家」との異名をとるほど、日本に詳しい方とのことです。
また、固くて、重い戦略に関する本のはずなのに、非常に読みやすく、スーッと頭に入ってくるので、早速次の日本4.0 も予約しました。
読む前と後で変わったこと:
中国という国の問題や欠陥(「習近平が唯一持っていないもの」という章に書かれています。)が分かり、「大国(中国)は小国(日本やベトナムなど周辺国)に勝てない」というルトワック独特の逆説的な言い回しも、繰り返し説明され、読み終える頃には、腹落ちしていました。
少し余裕を持って、この国を見ることができるようになりました。
ちなみに、私は東京に住んでいて、図書館でこの本を借りましたが、本を探すときは、
いつも東京都の図書館横断検索 | カーリル をを使っています。
ここは、東京の各区、各市町村にある図書館の蔵書を、一括で検索できるんです。
図書館のカードって、自分が住んでいる以外の区でも作れるので、自分が借りたい本がどこの区にあるかなあ、って探す時に便利です。
PS
今回、初めて、書評というものを書きました。
この記事に限らず、ブログへの感想や、コメントをいただけると、とても嬉しいです。
*1:文春新書