30年減配してないキヤノンは、配当貴族に負けていない!
1、配当の安定性
高配当株って、魅力的ですよね。だって、株を持ってるだけで、毎年、チャリンチャリンって、配当を、しかも、株価よりも安定して、お金をくれるんです。
例えば、日本株で花王は、25年連続増配しています。キャノンも30年以上配当の金額を減らしたことがありません。
じゃあ、株価はどうでしょうか。
言うまでもないですが、25年、30年株価が下がってない銘柄ってあると思います?30年前と言えば、1998年。バブルのピークから一度も下がったことがない銘柄なんてありません。
2、日米のインフレ率
次は国ごとの特徴を見ていきます。
米国は、インフレ率が3%と言われており、実際安全資産の代表格である10年ものの国際も3.2%ほどとなっています。
一方、日本は、インフレ率も、国際利回りもどちらもほぼ0%のままです。
するとどうなるか。
下の緑の線を見て欲しいのですが、ずーっと右肩下りです。
何を意味しているかと言うと、購買力平価と言うもので、いわゆるビックマック指数です。
例えば、変動相場制が導入された1970年代の前半(グラフの左上のところ)では、1ドルのハンバーガーを買うのに、日本円で、300円ほど出す必要がありました。(図は、国際通過研究所からお借りしました。)
それが、今はずーっと、緑の線(消費者物価指数)右肩下りなので、米国で1ドルのものを買うために、200円、150円と下がってきて、今は123円ほどで1ドルのものを買うことができます。
これがインフレの影響です。
ドルは、毎年3%のインフレしているので、簡単に言えば毎年3%ずつ価値が下がっています。日本円は、毎年価値が上がっています。デフレですしね。
あと、上のグラフで重要なのは、上下に動いている黒の線。
これが実際のドル円の為替レートです。
これが青の企業の購買力平価と同じように動いている、つまり、1970年の変動相場導入以降、ずーっと右肩下りで、円高になり続けている。
3、国ごとの高配当株の評価
じゃあ、これを踏まえて、国をまたいだ高配当株をどう評価すべきかと言うと、
毎年3%ずつ価値が減るドルで配当をもらうのと、ずーっと安定している円で配当をもらうのでは、同じ利回りで考えていいのでしょうか。
米国は、3%ずつドルの価値が下がってるんだから、毎年3%増配して当然だと思いません?同じ配当金額だと、3%ずつ目減りしてるってことになるからです。
一方、日本株は、さっきあげた花王の25年連続増配が最高で、米国のような配当王(50年以上増配)はいません。でも、上に書いたように、インフレしてない、むしろデフレ下の日本では、減配していないキヤノンも、配当貴族と言えると思います。
ちょっと強引??